生贄教室

それからどれくらい時間が経過しただろうか。
恐怖と不安に包まれた教室内ではもう何時間も経過したように感じられていたけれど、実際に時計を確認するとほんの10分ほどしか経過していなかった。

そのときになって化け物に動きが出始めたのだ。
「おい、化け物が動き出したぞ!」
そう言ったのはベッタリと窓にくっついたまま離れようとしなかった利秋だった。

利秋はまるで自分があの化け物を撃ち殺してやろうとするように、化け物を監視していた。
利秋の言葉に美麗たちがすぐに窓に駆け寄った。
グラウンドでうずくまっていた化け物が、今は立ち上がって体育館へと近づいていくのだ。

体育館は真っ暗で、もちろん人はいないみたいだ。
化け物が1歩くごとにずんずんと地鳴りがして、グランドのあちこちがひび割れる。

今まで旋回していただけのヘリが化け物の動きに合わせて移動を始めていた。
『そこで止まりなさい!』
化け物へ向けてアナウンスが始まる。
けれど言葉を理解しているとはとても思えなかった。