生贄教室

女性ドライバーはどうにかその場から逃げ切ったが、街はあっという間に混沌としてしまった。
人が行き交っていた駅からはすべての人たちが逃げ出したが、ただ1人、見知らぬサラリーマンが犠牲になってしまった。

そこで画面はまた男性ニュースキャスターへと戻された。
『自衛隊は今化け物を追いかけています。やむなく兵器を使うこともあると思うので、近隣の方はすぐに避難してください。繰り返します。近隣の方はすぐに避難してください』

切羽詰まったアナウンサーの声が途切れてニュース動画は終わった。
「なにこれ、本物?」
妙子が瞬きを繰り返す。

今のニュースが本物だと信じられないのは、ここにいる全員の気持ちだった。
だけど実際に黒い化け物はいる。
校舎の目の前にきているのだ。

「避難指示が出てたってこと?」
恵子が真剣な表情で呟いた。