生贄教室

妙子の印象はきっとこの中では良くない。
言葉使いは雑だし、誰かを陥れるようなことだってしてきている。
自分が死ぬ前に、少しでも妙子への印象を変えるのが、自分なりの罪滅ぼしだった。

仁はゆっくりとベランダへ歩き出す。
そのタイミングを見計らったかのように化け物がのっそりと体を持ち上げた。
暗闇の中で更に暗い影が立ち上がる。

その大きさは屋上まで届くほどになっている。
こんな化け物に自分たちは立ち向かってきたんだ。
それだけで十分、役に立ったんじゃないか?

仁はベランダへ続くドアノブに手を掛けてそう考えた。
医者になる夢は叶わなかったけれど、自分が犠牲になることで残りのメンバーは生き残ることができる。
そう思うと誇らしかった。

そしてそのメンバーの中には、妙子もいる。