生贄教室

暮れ始めてオレンジ色に染まった校庭の中を真っ黒な物体が蠢いているのが見えたのだ。
それは1体だけだったが、3階にいる自分たちにまで届きそうな巨大な生物だった。
それは校庭内でユラユラとさまようように歩き回っている。

「あれはなんなの?」
「うわ、化け物!」
「先生、あれなに!?」

気がつけば生徒たちが寄ってきて窓からあの黒い化け物を見ていた。
みんな大きく目を見開いて息を止めて化け物を見つめている。
「な、なんなのか調べてくる。きっとなにか情報があるはずだから」

なにかのイベントか?
あれは作り物か?
そう思いながらも声が震えてしっかり立っていることも難しくなっていた。
小刻みに震える膝をさすってどうにか落ち着きを取り戻す。

しっかりしろ!