生贄教室

☆☆☆

恵子の本心など知る由もない郁は膝を抱えて顔をうずめたまま泣いていた。
ずっとずっと一緒に居た雄太が自分の悪口を言っていたなんて。
自分のことを見下して、笑っていたなんて。

雄太と同じ高校に行きたくて進学コースを選んだ。
それから毎日一生懸命勉強した。

先生には「高校を変更したほうがいいんじゃないか?」と、再三言われて、それでも変更せずに努力してきた。
全部全部、雄太と一緒にいたいからだった。
それなのに……。

「私……雄太に騙されてたのかな」
くぐもった声で言うと恵子が頭をなでてくれた。

細くてながくてしなやかな手は、私の憧れだ。
恵子みたいに大人っぽく、艷やかな女性になりたいと思ってきた。