生贄教室

「郁と仲いいよね。どっちから告白したの?」
1度、郁の目を盗んでそんな質問をしたことがあった。

雄太は照れたように頭をかいて「勉強でピリピリしてる時期に郁みたいな子をみるとなんだかホッとするだろ? 一緒にいたらのんびりした気分になれるし、そういうところが好きなんだ」

いわゆる癒やし系というやつだろう。
確かに恵子はそういうタイプではなかった。
雄太の好みのタイプとは正反対ということになる。

それでも諦める気にはなれなかった。
郁が相手ならきっと雄太は振り向いてくれる。
そんな自信過剰な気持ちが膨れ上がっていたのだ。

実際に、恵子は学校内でモテる方だった。
中学1年生の頃から急激に伸びた身長のおかげでスラリとした手足を手にいれていたし、胸も他の子より膨らんでいる。
長くて艷やかな髪の毛の手入れを怠ったことはなかった。