「なんでこんなことに……なんで……」
利秋の骨が砕ける音は教室内まで聞こえてきていた。
美麗は何度も同じ言葉を繰り返して床に座り込む。

もう、立ち上がる気力も残っていなかった。
「大丈夫か?」
昂輝がペットボトルの水を持ってきてくれたけれど、それに手をつける気にもなれなかった。

食料はある。
明日には助け出されるかもしれない。
そんな中で1人ずつ死んでいくしかない現状に、心はすっかり疲弊していた。

「きっと大丈夫。美麗は俺が助けるから」
昂輝に手を握りしめられても大きな安泰は訪れなかった。

涙は次から次へと溢れてきて止まらない。
全身の水分が流れ出してしまうかのようだ。
「昂輝。でももう私……」

無理かもしれない。