『ええぇっ!?カズシに告白されたあ!?』
 さっき起こったことを幸太郎に話すと、想像以上の大きな反応が返ってきた。

「ミサ、手を繋いで一緒に帰りたいとまで言われてたよ。コータロー君どうする?」
『か、カズシを倒すしか!』
「何バカなこと言ってるの、めんどくさ~い!」
 わたしはお弁当の包みを解いて、お昼の準備をする。

『めんどくさいって。自分のことだろ!?』
「誰かのせいで、余計な動きして疲れたんだもん」
 と言ってテーブルの上の幸太郎にじろっと視線を送る。
 幸太郎は居心地の悪そうな顔をする。

『さっきのは悪かったって!昼寝して起きたら、ここはどこだ!?って混乱して、つい布を突き破って飛び出しちゃって!』
「ふぅ」
『テンション低いな?』
「それにね、告白って言っても、おまじないの影響だもん。魔法が消えればきっと何でもないことになるはず」

 わたしは右手で光るマークを見る。
 このおまじないが穂波君の心を動かしてしまったのなら、おまじないが消えればその思いも消えるはずだ。
「そうかなあ?」
『そーか?』
 まほりと幸太郎の2人の声が重なる。

「え?2人とも何?」
「わたし、ミサと一緒にいること多いから、分かるんだけど。前々から穂波君のミサへの強ーい視線には気が付いてたよ。花が散るほどメロメロの」
 たこさんウィンナーをほお張りながらまほりは言う。

「は、はいぃ?」
 そんな話、聞いたことない。