今日の補習は出来の悪すぎる確認テストで幕を閉じ、本当なら休みのはずの明日もわたしは再テストのために登校することになった。
 バスケ部の練習があるからどのみち登校はする予定だったけど、テストのために登校するのと部活のために登校するのじゃモチベーションが大分違う。

「はあああ」
 ため息と言うより嘆き声をあげながら、2年生用の玄関に繫がる階段をおりる。まほりとは教室で別れた。
 ラクロス部の練習に途中参加するらしい。
 ちなみにまほりは、しっかりと確認テストに合格していた。
 わたしと話をしていたのに、及第点をとって補習を免れちゃうなんて、大分要領がいいよね。

 そんなわけで大分落ち込みながら、玄関で上履きと外履きとを履きかえていると、
「お!ミサキ発見」能天気な声が背後から飛んできた。
 うわあ、めんどくさ、と咄嗟に思った。
 振り返るとやっぱりそこにいたのは、うるさい幼なじみだった。

「よ。一緒に帰ろーぜ」
 幸太郎は横に並んでくると、上履きを半ば強引に下駄箱へ詰め込み、スニーカーに履きかえた。
「はあ、元気だね。コータローも明日補習なのに」

 幸太郎とは小さい頃からの仲だけど、出会ってこの方、自分は幸太郎より賢い子だと思っていた。けれど、こうやって同じように補習受けて同じように再テストする羽目になっていると、実は大差ないのかもしれない。
 ていうか寧ろ、真面目にやっているのに成績が悪いわけだから、わたしの方が脳みそイカレてるのかも知れない。

 そう思うと、ホント、やってやれない……。