わたしはそれを、
「よーし!さくさくと龍の玉を探すぞー!ね、まほりに戸田さん」
 見なかったことにした。

「焔生の龍も行くよ!けど、焔生の龍って言いづらいから、これからは、焔ちゃんって呼ぶね!」
『なるほど、面白い娘だ。諦めるには口惜しい』
「あははは!」

「本田さん、あまり無理しないでね?」
 いたわしげな眼差しで、戸田さんが言う。
「ミサ、大丈夫だよ。いざとなったら、龍をベルガモットに食べてもらうからー。指笛ですぐに飛んでくるし、今くらいのサイズならぺろりだと思うよ」
 一方でまほりは恐らくフォローと思われる言葉をかけてくれる。

『……』
 それは、大丈夫と言っていいのかなあ……?と疑問だったけれど、
「それじゃ、安心だね」
 面倒なのでそう片付けて、龍の玉探しを始めることにした。

 龍の体表が黒ずんでいくのは知らん振りして。