「燃えている?でも、それは変だよ。わたしは誰かに恋をしているわけじゃない……」
『そうか。だが、不思議なことはもう一つある。お前の焔には色がないことだ。透き通っており、揺れるその残影のみでしか存在を知ることの出来ない不思議な焔なのだ。このようなものは一度も見たことがない』
「焔に色がない……?」
色と言えば、松代君に取り憑いたときに龍が、幸太郎を赤と言い、穂波君を青と言ったことを思い出す。
と言っても、わたしに心当たりなんてあるわけもないのだけれど。
すると、まほりがいつも何かを考えているときにするように、顎に人差し指をあてながら、
「ミサの焔に色がないのは、コータロー君の身体にミサが入ってるからかも」
そう言う。
「どういうこと?」
「多分、コータロー君の焔は燃えているんだよね?ということは、焔は確かに存在しているはずだけど……。今は身体の中にいるのがミサだから、色が付いてないのかな、って思ったんだ。仮説だけどね」
まほりがそう言うと、戸田さんが固い表情のまま、固い口調で、
「もう一つ考えられるのは、横堀君の存在が消えてしまったから、身体に宿っていた焔のみは残って、その色だけ失われてしまったか……」
言う。
そう言ったとたん、ずずずんと暗い空気が戸田さんの周りに集まってくるのが分かる。
ああ、戸田さんが自分を思いつめてしまう……。
でも、ここでわたしがフォローの言葉を言ったとしても、気休めにもならない気がする。
わたしも夢の中で幸太郎が消えるのを見――――。
『そうか。だが、不思議なことはもう一つある。お前の焔には色がないことだ。透き通っており、揺れるその残影のみでしか存在を知ることの出来ない不思議な焔なのだ。このようなものは一度も見たことがない』
「焔に色がない……?」
色と言えば、松代君に取り憑いたときに龍が、幸太郎を赤と言い、穂波君を青と言ったことを思い出す。
と言っても、わたしに心当たりなんてあるわけもないのだけれど。
すると、まほりがいつも何かを考えているときにするように、顎に人差し指をあてながら、
「ミサの焔に色がないのは、コータロー君の身体にミサが入ってるからかも」
そう言う。
「どういうこと?」
「多分、コータロー君の焔は燃えているんだよね?ということは、焔は確かに存在しているはずだけど……。今は身体の中にいるのがミサだから、色が付いてないのかな、って思ったんだ。仮説だけどね」
まほりがそう言うと、戸田さんが固い表情のまま、固い口調で、
「もう一つ考えられるのは、横堀君の存在が消えてしまったから、身体に宿っていた焔のみは残って、その色だけ失われてしまったか……」
言う。
そう言ったとたん、ずずずんと暗い空気が戸田さんの周りに集まってくるのが分かる。
ああ、戸田さんが自分を思いつめてしまう……。
でも、ここでわたしがフォローの言葉を言ったとしても、気休めにもならない気がする。
わたしも夢の中で幸太郎が消えるのを見――――。