すべて話し終えると、まほりは予想通り早い飲み込みで、
「つまりー、ミサは、ミサの姿をしたコータロー君を見つけだしたい、ってことだよね。わたしはそのお手伝いをすればいいの?」
 そう言ってくれた。

 いつの間にかわたしのことをいつものようにミサとも呼んでいるし、適応能力が半端じゃない。
「うん、まほりに手伝ってもらえれば心強いから」

 わたしがそう言うと、まほりはきょとん、とした顔をして、それから、
「ミサはきっと可愛い女の子だね」
 と脈絡のないことを言う。

「はいぃ!?何でそういう話に?」
「大丈夫。可愛いミサには、おねーさんが手伝ってあげるから~」

「おねーさんって、誕生日がちょっと早いだけなのに……」
 そう言って、こんなやり取りをそういえば一週間くらい前にもしたことを思い出した。

 そうあの、おまじないのマークを描いてもらった日にも似たようなやり取りをしたっけ。
 あれをきっかけに、次から次へと色々起こった。

 クラスメイトなのに、ちゃんと話したことがなかった穂波君や松代君や、火恩寺君達と過ごす機会が増えて、面倒くさいながらも少し楽しい一週間ちょっとだった。

 そう思うと、今誰もわたしの存在を知らず、わたしの中だけにしかその記憶がないことがとても寂しいことのような気がした。