4人が去った廊下で、わたしはそんなことを考えながら、ぼんやりと窓の外を見る。
 窓の外には中庭が臨めるようになっている。
 外灯の光に照らされ、日よけのついた何対かのテーブルと椅子が並べられているのが見えた。

 そして、テーブルや椅子の並ぶもっと向こう側には、数本の木が立っている。
「ん?あれは……」

 その木の傍で蓄音機のような形をした変な機械を持ってたたずむまほりと、木の上で何やら周囲に目を光らせている火恩寺君の姿が見えた。

 何をしているんだろう?

 まほりと火恩寺君というのは、何だか不思議な組み合わせだ。
 しかも、まほりの持っている機械といい火恩寺君の様子といい、何か妙な作業をしている雰囲気だ。

 自分自身が妙な状況になってしまっているわたしとしては、何か関係があるかもしれない、と願望も含めてそう思う。

 そうこうしているうちに、窓の向こうでは、まほりがパンクロッカーのごとく頭を上下させながら、ぶんぶんと機械を振り回し始める。

 怖いよ、まほり……。
 関係があろうとなかろうと、このまま見過ごせない。

 わたしは中庭に急ぐことにした。