「あ、当たり?すごい思いのパワーを感じたから、ひょっとしたらって思ったんだけどー」
「思いのパワー……?」

「ほらー、前にどうしてコータロー君が犬になっちゃったんだろうって、考えていたときに話したこと覚えてない?強い意思が魔法を阻んじゃうってやつ」
「そういえば、魔法が強い意思で弾かれてコータローは犬になっちゃったって、まほり言ってたよね」

「強い石?ダイヤモンドか?」
 ひとりボケている幸太郎は放置することにする。

「でも、それと今の状況とどう関係あるの?」
「今回のも意思のパワーが影響してるんだ。コータロー君の今まで怨念のように溜め込まれてきた思い――意思が開放されて、ミサの手の甲にかかったままになっている魔法と共鳴しちゃって、大ばくは~つ!局地的に異常が発生したのです。わたしは蝶々になっちゃった!えへへ!」

「すごく嬉しそうだね……」
「怨念のように……」

「でも、他のみんなは、姿が変わっちゃって、大騒ぎしてるみたい」
「みんなも姿が変わってるの?」

「うん、さっき飛んでくる途中に見たけど……」
 そこで言葉を切り、わたしの肩から飛び立ち、
「こっちこっちー!」
 と羽ばたきながら、合図を送っている。