「さっき、戸田に頼んで消してもらった」
「戸田さんが自分でかけた魔法なのに、何でそんな簡単に消してくれたの?」

「戸田の目的は俺をどうこうすることじゃねーからな。前に魔法かけたのは口止めのためだったんだろうけど、龍がイッセイに取り付いて事情が変わってるしな」
「松代君?コータロー、何か知ってるの?」

「少しだけな。それより、何か変じゃねーか?」
 そういえば、さっきからざわざわと周囲が騒がしくなっている。
「昼休みがもうすぐ終わりだから、みんな動き出したんじゃない?」
 そう言ってみるけれど、ざわめきの具合は尋常じゃなかった。あちらこちらから奇妙な叫び声が聞こえてくるのだ。

 いや、叫び声というよりも、鳴き声――――?