ことごとく名前に犬が名前に入っているのもすごいけれど、犬吠埼師匠というのが魔猿の呪いで、猿になってしまったらしく、猿の写真が使われていのもまたシュールだった。

 スタッフの人の説明が思ったより長くて、最初はちゃんと聞いていたわたしも幸太郎も飽きてきてしまい、周囲をきょろきょろ見回し始める。
 すると、ロビーの椅子に座りながら本を読んでいる見知った少年を見つけた。

 同時に幸太郎もあ、あいつだー、と声をあげ、何の躊躇もなく少年のところへ近づいていった。
 わたしも幸太郎の後を追った。