『まあ、そう言うな。お前にも、そして周りの焔たちにも良いことだと思うのだ』
「何をしようとしているの?」

『ある世界にお前を連れてゆく。その上でお前の焔が燃えぬならば、その時お前は我の花嫁となるのだ』
「な、何だか意味が分からないし、説明が足りないし。わたしにとってあまり良い条件じゃない気がするんだけど……」

『何事も挑戦だ、娘。では行くぞ』
「いやいや、いんふぉーむどこんせんと、あかうんたびりてぃを……!」
 とまあ、使い慣れない、よく理解できていない単語を並べてこちらに分を持たせようとしてみるものの、
『では、始めよう』
 わたしの発言は完全に無視される形となったようだ。

 龍は爪の先で何やら方陣のようなものを空中に描き、尻尾でわたしをその中に弾き入れた。
「ぐはぁ……!?」

 わたしは反論する間も与えられず、光の渦へと飲み込まれていく。

 龍までもわたしに対して無駄に強気なんだね……。
 弾かれたお尻が少し痛かった。