*蒼side*
体を揺すられて目が覚めた。
遠くの方で声が聞こえるのだが、季蛍は今夜当直で…
「…ん?」
上半身を起こすと、暗闇に愛優が立っていた。
何かあったのだと瞬時にわかり、部屋の電気をつける。
「なに、どした?」
「薬…」
「…え?」
「薬出してほしい…」
突然のことに理解は追いつかないが、体は既にベッドを離れていた。
愛優の体を押しながらリビングへ移動する。
「なんの薬?」
「頭、痛くて」
「頭?」
「全然寝れなくて…」
消えかけた涙声。
「あぁ…お腹痛いの?」
「ううん…」
「じゃなくて頭痛だけ?」
「そう、とにかく頭が痛い」
薬をもらうための噓ではないのだな。
ソファに倒れこむ愛優を横目に、携帯電話で時間を確認する。
「ちょっと体温測ってて、いま準備する」
「うん…」


