枕に顔を押し付ける。
痛い、痛い、痛すぎる…
堪らず部屋の外に出た。
廊下の冷たさに体が震え、身を縮めながら誰もいないリビングへ。
電気をつける余裕はなく、寝室のドアをノックする。
…反応はない。
今日はパパがいたはずだ。
病院に呼び出されている可能性も…なくはない。
もう一度ドアをノックし、そっと手前に引く。
中を覗くと、ベッドに人影があった。
とてつもない安心感に力が抜けそうになるのを抑え、できるだけ静かに部屋の中に入る。
起こしていいものかと多少悩む時間はあったが、痛みに耐える余裕がなかった。
「パパ…」
枕元で声を掛けるが、反応はない。
間接照明のスイッチを入れ、軽く体を揺する。
「パパ…」


