少し落ち着いたところを見計らってうがいを済ませ、再び車の中へ。
「病院迷うな」
「行かない」
「なんで?」
「行く必要ないから」
「うーん…」
視線に耐え切れず前を向き、少し目を伏せた。
「触っていい?」
「…なんで」
「なんか顔が赤いから」
「苦しかったから…」
「保健室でも体温測ってなかったし」
「それどころじゃなかったの」
「首」
「や…」
「一瞬」
「…」
熱のない証明になるのなら、と頷くと、手の甲が首筋に当てられた。
「やっぱあるわ」
「嘘!」
「嘘じゃない」
「絶対にない、あったら触らせない」
「ふっ…どんな言い訳」
「具合悪くない、行かなくていい」
と強気になって言ってみたものの、駄々をこねる子どものようだと恥ずかしくなった。
「…。ボーッとしてるし普通に熱いよ」
「してないから…」
「一点見つめてる」
「疲れただけ」
「…」
「帰って寝るのがいい」
「…わかった」
車のエンジンがかかり、校門の外へ出る。
「仕事は…?」
「気にしなくていい」
「…」


