「また朝が来たらどうしよう」
布団を掛けてくれた蒼が、少し微笑んだ。
「朝が来るまでに眠れるよ」
そんなことは当たり前にわかっているのに、そう言って欲しいがために面倒な質問をして。
それすらもお見通しのように、蒼が「大丈夫」と繰り返す。
「蒼に言われたら、絶対大丈夫だって思える…」
「んふ、いくらでも言うわ」
何も言わずに抱き寄せられ、胸の中へ。
「次の休み、なに食べに行く?」
「またご飯の話…」
「いいじゃん、候補考えよ」
「決められないよ…お腹いっぱいだもん…」
背中が優しく擦られているのがわかる。
「それもそうか」
「今度は蒼が食べたいものを食べに行く」
「そう言われると思いつかない」
「そうだよ、私も同じだから」
「もうないの?行きたいとこ」
「…」
「あるでしょ、その感じ」
「ふふ…」
「なに、言ってよ」
「言ったら蒼がそれでいいって妥協するからやだ」
「はは、たしかに」


