「大丈夫そう?迎えに来てもらうことも出来るのよ」
「平気です、楽になりました」
カーテンが開く音がした。
うたた寝をしていた私は、その音にハッと目を開いた。
「ありがとうございました」
「いいえ。今日は早く帰って休んでね」
「はい」
カーテンの中から出てきたのは、黒髪を揺らす色白の女子生徒だ。
彼女を見た瞬間、私の心の中のモヤモヤが晴れていくような気がした。
私はずっと何に悩まされていたのだろう。
胸の中のモヤモヤは、一体なんだったのだろう。
先輩が選んだのはこの子なんだ。
私が悩む必要など、なかったのだ。
「騒がしくてごめんなさい…」
か細い声が聞こえた。
彼女は両手に荷物を抱え、私の前に立っていた。
「そんな…」
咄嗟に言葉が出なかった。
「気にしてないです…」
そう言うと、彼女は微笑んだ。
少し頭を下げ、部屋を出て行く。
さっきまで心の奥に押し込んでいた感情は、今はもうない。


