*季蛍side*
錠剤を取り外して手のひらに乗せていたら、ドライヤーを済ませた蒼が背中から覗き込んだ。
「な…なに?」
「いや?別に」
睡眠薬を処方してもらったことは話していたが、蒼なりに不安があったのだろう。
私だって処方する立場だ、薬の危険性はよくわかっている。
蒼が不安に思う気持ちも、私にはよくわかっている…
少しぬるい水とともに、錠剤が喉を通る。
大丈夫、今日は眠れるはず…
「ベッド行こ?」
差し出された手。
「…大丈夫だよね?」
特に意味はなかったが、聞いてみたくなった。
布団の中で日が昇るのを待つ毎日が、あまりにも辛かったから。
「ん、大丈夫。一緒に寝よ」
その手を握る。
やわらかくて温かくて大好きな手。
うん、大丈夫…な気がしてきた。


