保健室の扉が開くと、室内に荒い呼吸が響いた。
両腕に抱えられた女子生徒は、彼の首に両手を回している。
「蒼くん、ここに」
「はい」
抱えていた女子生徒を少し広いソファに下ろすと、彼は肩を上下させながら汗を拭った。
彼女の息遣いには、聞いているのが苦しくなるほど不安定な呼吸がある。
前に体を倒している女子生徒は、自分の手で胸元の服を握っているように見えた。
「も、大丈夫だから」
彼は息を整えながら、苦しそうな彼女の背中をゆっくりと擦っている。
「季蛍ちゃん」
慌ただしく動いていた先生が、彼女に何かを手渡した。
それが何なのか、私には分からなかった。
「無理ですね、僕が持ちます」
彼女が自力で掴めないことを悟ったのか、彼は先生からそれを受け取った。
「よし、吸えそう?」
首を縦に振った彼女は、ゆっくりと顔を上げた。


