「それで、彩菜ちゃんはどうしたの?」
「ちょっと気持ち悪くて…」
「授業は出られそうになかった?」
「はい、ちょっとお腹が痛くて」
「あぁ、そうだったの。昼食は?」
「ほとんど…」
「それなら少し休んだ方がいいかもね。来室記録書けそう?」
「はい」
「じゃあ念のため熱も測って書いておいて」
「わかりました」
体温計を受け取り、ブラウスのボタンを数個外す。
「カーテン開けるね」
先生の声と共に、シャッとカーテンが開く音が聞こえた。
「どう?ああ、下がってるね」
微かに聞こえる声は、きっとベッドで休む生徒に向けられたものだ。
同じ部屋じゃここまで声が聞こえてしまう。
聞いていいものか、と気まずくなり、なんとなく聞こえていないフリをした。
「戻るの?平気?」
「はい」
「わかった、もしダメなら戻って来て?」
「ありがとうございます」
そんな会話がカーテン越しに聞こえたあと、中から見知らぬ男子生徒が出てきた。
彼がドアを開けるのと同時に、体温計の機械音が鳴る。
「彩菜ちゃん、熱どう?」
「ないです」
「そう、良かった。ベッドで休む?」
「座ってる方が楽かも…」
そう答えると先生が笑い、
「わかった」
そう言って頷いた。
「毎月の?」
「いえ、違います…」
「なにか悪いものでも食べた?」
「心当たり無くて…」
「そう、休んで治るといいんだけど」


