*蒼side*
着替えた季蛍が、「あったかい」と言いながら毛布にくるまった。
派手に余った袖に、長すぎる丈。
華奢な体には大きすぎる。
…だけど悪くない。
「置いとくからどうぞ」
ココアを入れたマグカップを置くと、毛布からひょっこり顔が出た。
「ありがとう。…ごめんね?」
「謝んなくていいよ」
痛みからか、時折表情が歪む。
心なしか頬も薄く桃色に染まっていて、体調が悪いことは明らかだ。
両膝を立ててその間に顔を埋めると、
「痛い…」
そんな言葉が漏れた。
無意識に出てしまったような、そんな感じだ。
「季蛍、薬は?」
「……飲んでない」
今にも泣きそうな声が聞こえる。
相当つらいものだと認識しているが、痛みの辛さが俺にはわからない。
何もできないも同然なんだよな。
「何か食べて薬飲む?」
「ん」
「わかった、ちょっと待ってて」


