差し込むような下腹部の痛み。
冷や汗がダラダラと吹き出てくる。
足が止まり、その場にしゃがみ込む。
痛い…
「迎えに来てもらう?」
それまで気を利かせて何も話しかけてこなかった蒼が、蹲る私に声を掛けた。
「いい…」
「歩くの無理だろ」
「大丈夫。それに……」
両親はどちらも仕事で家にいない。
迎えに来れる人がいないのだ。
兄は大学にいるだろうが、知ればきっと無理にでも飛んでくる…
ふらりとバランスを崩し、地面に手がつきそうになった。
咄嗟に支えようとしてくれた蒼の腕を必死に掴むが、目の前は砂嵐。
抱えてもいいか、と聞いてきた蒼には、絶対に嫌だと首を振った。
胸を締め付ける圧迫感、下腹部痛の不快感。
何の痛みか苦しさか…
紛れてよくわからない。
「季蛍の家は距離がある。行き先を変えよう」
引っ張られた腕を、思わず引いた。
「や…」
「限界だろ?家までは無理だよ」
「大丈夫、…這う」
「…正気かよ」
呆れたように笑う蒼は、しゃがみ込んで腕を開く。
「おぶってくのは嫌だろ?…だから」
「本当にいい…」
「じゃあ歩くか?」
「……」


