少し眠ったら見違えるほどに体が楽になり、白衣を整えながら医局に顔を出す。
リズムよくキーボードを打ち込んでいた高島先生の背中を捉え、背後からそっと近寄った。
「高島先生……」
マグカップに手を掛けた彼が肩をピクリとさせて振り向き、目を丸くした。
「お!もう平気なの?」
「はい、すみません…休憩いただいて」
「ううん、当然。もっと早く行かせてあげればよかったね」
「いや…私の自己判断が甘かったかも」
「そう?こんな天気の日くらいは自分に甘くていいじゃん」
「…」
「また明日元気な姿見せて」
「…はい、ありがとうございます」
「お疲れ」
「お疲れさまです」
「あ、蒼先生いま捕まっちゃってるよ」
隣のデスクに目を向けたあと医局内を見渡すが、たしかに姿がない。
「一緒に帰るんでしょ?」
「はい、その予定です」
「ん、気をつけて帰ってね」
目を細めて笑いかけた彼に軽く頭を下げ、蒼が戻るまで待つことにした。
医局の窓から外を覗くと、雨が上がっていた。
*おわり*


