患者の病室を周り医局に戻ると、遅めの朝食を食べながらモニターを見ていた高島が振り向いた。
「あ、蒼先生」
「ん」
吸入器を吸う仕草を再現したあと、奥のデスクを指差す。
「…してた?」
「はい、めちゃくちゃコソコソ」
「ふっ、バレバレじゃん」
「バレバレですよ、僕の目は欺けないですからねぇ」
椅子を少し後ろにずらして奥のデスクを確認すると、相変わらずチョコレートを口に含みながら仕事をしている。
「午前の外来からすでに多いみたいですね、気圧で不調を感じて来院する人が」
「そうだろうね…雨降っちゃったら楽になることもあるんだけどな」
気圧のグラフが警告を知らせている。
しばらくこのグズグズした空が続くようだ。


