*蒼side*
「どうしてあるの…?」
12月26日の中庭を彩るクリスマスツリー。
不思議そうに、でも、嬉しそうに。
そんな季蛍と同じようにツリーを見上げている患者も多い。
「高島がね、あと一日長かったら見せてあげられるかもしれないって言ったの」
「…」
「あと一日、クリスマスが長かったら」
「そうなんだ…」
「そしたら本当に伸びたよ、クリスマス」
「高島先生がすごい」
「賛同してくれる先生も多くてさ」
「嬉しい、絶対見れないと思ってた」
「意外と大きいよね、ここのツリー」
「勤務中はまじまじと見ないから気づかなかった。すごく綺麗」
クリスマスが終わると、今年ももう残りわずか。
「年が明けるまでに退院できるよね?」
「…それを目指そう」
「うん…」
「戻ろうか、病室」
「…ありがとう、連れてきてくれて」
少し咳が出始めた。
もう少し見ていたい気持ちはお互い同じだが、ここで悪化させるわけにはいかない。
「退院したらイルミネーション行こう」
「ほんと?楽しみ」
「来年は院内じゃないツリーで」
「うん、約束ね」
*おわり*


