*季蛍side*
「ちょっと出る?散歩」
診察が終わると、高島先生が病室のドアを指した。
「いいんですか?」
「いいよ、少しなら」
「行きたいです」
「ちょっと暖かい格好しよう」
蒼が事前に持ってきてくれていた上着に腕を通し、高島先生の手を支えに立ち上がる。
点滴のスタンドを引きながら一歩踏み出したところで、病室に蒼の姿があることに気がついた。
「いってらっしゃい」
そう言って微笑む高島先生と、入り口で私を待つ白衣姿の蒼。
「なんで…?」
「蒼先生と院内デートだって」
「ニヤニヤしすぎ」
「あはは」
見守る高島先生を横目にドアのそばへ。
「行ける?」
「大丈夫…」
「院内少しね」


