ベビーカーの候補を絞ろう、そんな話はしていた。
だが夕食を終えてソファで休んでいた陽が眠り込んでいることに気が付き、静かにホットプレートのコードを抜いてキッチンに運ぶ。
布巾の下に温かさがまだ残るダイニングテーブルを軽く拭きあげたあと、寝息を立てている陽の膝に毛布を掛けた。
体が冷えないよう、肩からも包みこむように。
一緒に買い物も行けてご飯も食べて、母子ともに元気でいてくれる。
これ以上の幸せはない。
つわりに苦しんでいた頃の陽を、ふと思い出す。
何を食べても受け付けず、ベッドで横になることしかできなかった毎日。
自分にできることは限られていたけれど、それでも陽は乗り越えて、ご飯をおいしいと言ってくれるようになった。
あれが食べたい、これがおいしいと、笑うようになった。
今日のように無理をしないようセーブしつつ、陽が笑っていられるように支えたい…
穏やかに眠る横顔を見ながら、そんなことを思っていた。
リビングの明かりを少し落とし、食器の音で起こさないよう慎重に洗い物を始める。
次にホットプレートを出すのは、たこ焼きを焼く夜。
専用プレートはあったかな、とキッチンの下を覗き、姿が見えたことに安堵して洗い物を再開した。


