夜は食卓でホットプレートを囲み、二人でお好み焼きを焼いた。
「絶対に失敗しない」と強気でフライ返しを持っていたのに、プレートの端っこに生地がグチャリと寄ってしまい悔しそうにしていた陽が可愛かった。
「……今日は調子が悪いみたい」
「はは、今日は?」
「いつもはもっと上手くできるんだもん」
「じゃあ、陽の仇は俺が取る」
「頑張って!」
ノリノリな陽にまた笑い、裏面が程よく色づいた生地を少し持ち上げて一気にひっくり返す。
空中に半円を描き………その場に静かに着地した。
「どうだ」
「すごい、完璧」
まあるい生地が鉄板の左側を陣取っていて、ジュージューと美味しそうな焼き音を響かせている。
「なんか悔しい…」
「はは、二枚目はリベンジしたら?」
「そんなに食べられるかな」
「じゃあ俺の二枚目、あとで焼いて」
「わかった、絶対に負けないから…」
「ふっ、誰に?」
「港に……」
「いつの間にか敵になってるし」
一旦ホットプレートの火を止め、それぞれ焼き終えた生地にトッピングを施していく。
「港は器用だから上手なんだね」
「……器用かな?」
「だってほら、手術したり」
「お好み焼きには関係ないよ」
「そうかなぁ、ちょっとはあるよ」
ソースにマヨネーズ、かつお節に青のり…
ようやく形をなしたお好み焼きがそれぞれ完成し、二人で手を合わせた。
「「いただきます」」


