Cara~番外編~




冷蔵棚の中に整然と並ぶのは、立派なアメリカンチェリー、もものカットフルーツ、カップに入ったパイナップル。


どれもみずみずしく光っているのに、赤く小さな果実だけが、どこにもない。


それもそうだ、もう6月も半ばなのだから…


冷房が効いているはずの店内で、額にうっすらと汗が滲んだ。


けれど、諦める気にはなれない。



「どこかにはあるだろ…」



自分に言い聞かせるように呟き、次の目的地をスマホで検索する。


地元では少し有名な果物の専門店…


そこならまだ、季節外れのいちごを仕入れているかもしれない。


車内にエアコンの風が吹きつけていても、胸の内は少しずつ焦りで熱を帯びていた。