「寝た?」
ダイニングテーブルで仕事をしていた蒼が、少し不安そうに言った。
「うん、泣き疲れて眠れた…って感じだけど」
「港もあの様子じゃずっと気にしてるだろうな」
「そうだよ……だってあんなにつらそうなんだもん」
「うちを頼ってくれてよかったけど」
本当にそうだ。
遠慮される仲じゃない。
「コーヒー淹れる?…あ、やめたほうがいいかな」
自分で提案したのだが、今じゃなさそうだ。
「白湯だったらいっか」
「あぁ…匂い?」
「そう、これが引き金になって気持ち悪くなったら困るし」
「港が大丈夫だって言ってたよ?食欲はないけど食べ物の匂いは楽しめる…みたいな」
「そうなんだ」
「日替わりでアロマ焚いたり、好きな入浴剤を一緒に買いに行くんだって」
「そっか…港くんお昼過ぎに戻るんだよね?」
「うん、午後は病院行くみたいだから」


