*陽母side*
「部屋、暑い?大丈夫?」
「大丈夫…」
部屋で寝ていた陽の様子を見に行くと、首元が濡れるほど汗をかいていた。
慌てて窓を開け、グラスに入れた麦茶を用意する。
「熱があるんじゃないの?」
「平気、微熱なの…」
「絶対に微熱じゃない」
「微熱だよう…」
「何年あなたの母親やってきたと思ってるの」
「…」
それくらいは顔を見ただけでもわかる。
幼いときから何度も見てきたのだ。
具合の悪さを誤魔化そうと、大丈夫だと、強がるその顔を。
「港には絶対連絡したりしないで…」
「わかってる」
「ありがとう」
「いま着替え持ってくるから」
「ごめん…」


