湯上がりのほかほかとした陽が、まだ頬をほのかに染めたままふわふわと歩いてきた。
膝下丈のルームガウンを羽織り、足元はまだ少しだけ湿っている。
差し出したコップを両手で包み込むように受け取った。
一口、二口。
喉を鳴らして水を飲んだあとふっと目を細め、「ふぅ…」と静かに息を吐く。
…かわいい。
火照った頬に濡れた髪が頬に張りついていて、いつもより少しやわらかい雰囲気。
まさに守りたいこの姿…
「ありがとね?手伝ってくれて…」
「全然。むしろ手伝わせてくれたほうが安心だから」
「すごく気持ちよかった、久しぶりに人に洗ってもらった」
「よかった。じゃ、おいで」
洗面所に体を向けて手招きをすると、不思議そうに首を傾げる。
「…なに?」
「ドライヤーまでがお風呂でしょ」
「自分でできるよ?」
「やりたいの」
「…やりたいの?」
「そう、俺がやりたいの」
「ふふ…じゃあ、お願いします」
*おわり*


