「これでいい?」
「あった?ありがとう」
ぬるい水とともに錠剤が喉を通り、熱を抱えた体の内側に落ちていくのがわかる。
「夜は温かいメニューにする」
「いいよ、俺作っておくから」
「え!?絶対無理だから!動き回ったら高島先生に告げ口するからね」
「高島に告げ口したところで何もならない」
「怒るよ、すごい怖い顔で」
「ふーん、どんな?」
「…こんな」
季蛍に見せる怒り顔を再現しているようだが、全く怖くないので笑いそうになった。
「なにも言ってこないって思うでしょ?そんな甘くないんだから」
ベッドを整えてくれた季蛍が毛布を一枚増やし、枕元にペットボトルを置く。
「今日は寝ててよ?なにもしなくていいんだからね」
「…わかったよ、寝てる」


