「すっきりした?」
「うん…気持ちよくて眠くなってきた」
「いつも大変でしょ、髪洗うの」
「うーん、慣れてるけどね」
水気を軽く切った髪の毛の毛先からトリートメントを馴染ませ、絡まりをほどくよう丁寧に揉み込んでいく。
「俺の二倍掛かる」
「港は短いもん…わたしも切ろうかな」
「…本気?」
「出産日近づいたらそうするって決めてるけど、もう切っちゃおうかなって」
「見たいな、陽のショート」
「似合うかな」
「似合う、絶対」
「ふふん」
「なに、ご満悦」
「絶対、が嬉しかったから」
「うん、絶対似合うから」
「決めた…港がそう言うから切る」
「ほんと?楽しみ〜」
やわらかなボディーソープの泡を背中の上に滑らせた。
力を入れず、撫でるように。
「ふふ…くすぐったい」
「がまん」
「港の手好き、優しいから」
「ふふん」
「あ、ご満悦」
「好き、が嬉しかったから」
馴染ませていたトリートメントと同時に背中を十分に流し、手のひらで髪の水気を切る。
「あとは大丈夫?」
「大丈夫、ありがとう」
腕に跳ねていた泡を流し、シャワーの水を止めた。
「いつでも洗うから」


