気がついたらそのまま眠っていたようだ。
どれくらい眠っていたのだろう。
ふと目が覚めて顔を上げると、視界は暗闇に沈んでいた。
電気を点けるのを忘れたまま眠ってしまったようで、部屋の中には外の街灯の光がぼんやりと差し込んでいるだけだった。
重いまぶたを開けきれないまま、ゆっくりと体を起こす。
ソファに横たわっていたことも、どれくらい泣いていたかも、もうわからない。
ただ、頬に残る涙のあとが冷たくて、それがさっきまでの自分の時間を物語っていた。
港が忙しいことなんてずっと前からわかってた。
今までだってそうだった。
私が一番わかっている。
理解している。
医師として働く彼を支える以上、その覚悟が私にはあった。
だからここまでやってきた。
なのにどうして泣きたくなってしまうの?
少し眠ったことで気分は落ち着いたと思っていたが、再び溢れる不思議な涙。
手の甲で拭っても、それは止まらない。
濡れた頬を何度もなぞって、目元に手を当てて、それでも次々と溢れていく。


