*蒼side*
お会計を終えて店の外に出ると、湿った空気が気道に流れ込んだ。
雲のある空ではあるが、太陽は出ている。
それでも雨の匂いを感じ、これからの天気を察知する。
「二人がここに行きたいんだって」
季蛍がフロアマップ二階の店に指を当てた。
「ふーん、いいよ」
「美味しいクレープが売ってるみたい」
「嘘でしょ、まだ食べる気?」
「夏来が食べたいって」
「あんなに食べたのに?」
「ふふ、若いから」
横で話を聞いていた愛優が目を丸くした。
「私むり」
「そうでしょ?」
「本当に食べるのかな」
「無理だと思うけどな」


