「帰ったよ」 食べやすいものを買いに出ていた蒼が、ドアの隙間から顔を覗かせた。 「ありがとう、冷却シート売ってた?」 「売ってた」 「熱上がってきちゃった」 「何度?」 「いま8度…」 「そっか。明日は病院だな」 「ゼリーなら食べたいって言ってたの」 「よかった、いっぱいあるよ」 「助かる…」 止まらない咳を繰り返した夏来が、ゆっくりと上半身を起こす。 「ママ…」 「ん?」 「ゼリー食べる…」 「ふふ、話聞いてたの?今用意するから待ってて」