鳴った体温計を確認し、毛布を持ってきた季蛍にもその表示を見せた。
「あ…上がってる」
厚手の毛布で夏来の体を包んでやると、季蛍は優しく頭を撫でた。
「もう寝ちゃいそう。部屋移した方がいいかな?」
「そうだね」
さっきまで微かに開いていた瞼は、今にも閉じてしまいそうだ。
背中と膝裏に手を回し、熱い体を抱える。
布団の中にそっと下ろした頃には、寝息が聞こえていた。
「昨日楽しみにしてたんだよ、ケーキもプレゼントも」
眠りに落ちた夏来の体を何度か撫でた季蛍は、しょんぼりと肩を落とした。
「あとで別にお粥作る…こんな日に可哀想だけど」
「仕方ないな、今日は」
「お祝いはまた日を改めて…しよ?」
「もちろん」
名残惜しそうに体を撫で、残念そうに眉を下げる。
「ご飯、頑張って作ったんでしょ?食べよう」
「…そうだね、食べよ」
明かりを消して部屋を出る。
確かに数日前、帰宅すると開口一番に『ケーキ頼んだ?』と 聞いてきた。
「頼んだよ、大きいの」
そう答えると、飛び跳ねながら季蛍に報告しに行っていた。
感情が抑えきれずに全身に出てしまう夏来に、思わず笑ったほどだ。


