派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

「あら? お二人とも、どうかされたのですか?」
「あ、ファルーシャ様……」

 代わりにそこには、ファルーシャがいた。何やら、彼女はプリントらしきものを持っている。
 確か、彼女はクラスの学級委員長になったはずだ。大方、教師から何かを頼まれたのだろう。

「ファルーシャ様、こちらにレフェイラ・マグリネッサ伯爵令嬢が来ませんでしたか?」
「私達、彼女を探しているのです」

 彼女がここにいたことは、私達にとって都合がいいことだった。レフェイラの行き先を見ている可能性があったからだ。
 同じ考えをしていたのか、私の言葉にメルティナがすぐに続いてくれた。それに対して、ファルーシャは少し困惑しながら口を開く。

「レフェイラさんですか? 彼女なら、あの角を曲がりましたけど」
「そうですか、ありがとうございます」
「ありがとうございます」
「あ、いえ……」

 困惑する彼女に特に事情を説明することもなく、私達は駆け出した。彼女には悪いが、今はとても急いでいる。このことは、後日謝って事情を説明するとしよう。
 私達は、ファルーシャが言った角を曲がった。この先に、レフェイラがいるだろうか。それとも、既に別の場所まで逃げているのだろうか。