派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

「……」
「……」
「……」

 視界が戻って私達の目に入ってきたのは、たくさんの人々だった。教師や生徒といった面々が、私達を見て驚いているのだ。
 そこは、先程と同じ廊下である。だが、これ程人がいるのだから、これは本当の世界なのだろう。

「……どうやら、空間を操作するような魔法が行使されていたようだな」
「あ、兄上……」

 そんな私達に、話しかけてくる人物がいた。それは、生徒会長のディゾール様だ。
 彼は、私達に何が起こったかを即座に理解したようである。この場で誰よりも早く私達に話しかけているのも、それが理由だろう。

「あ、兄上、俺達は……」
「閉じ込められていたということか」
「ああ、そうなんだ。校舎に入った瞬間、別の空間に囚われたそうなんだ」
「それが、そいつの見解という訳か」
「ああ、そうだ。なあ、キャロム君……うん?」

 ドルキンスが声をかけた瞬間、キャロムの体がゆっくりと倒れていく。反射的に動いたドルキンスがそれをなんとか受け止めたことで、彼の体は地面にぶつかることはなかった。