派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

 そこまでしなければ、この迷宮は破壊できないようだ。彼程の人間が、そこまで魔力を使わなければいけないとなると、この迷宮は本当に一筋縄ではいかないものなのだろう。

「二人とも、その場を動かないでくれ。空間の境目に立っていると、空間を引き裂く際に、一緒に引き裂かれることがある」
「そ、そんなことがあるのか?」
「ああ、空間を引き裂くと繋がりが切れる。そこに肉体があれば、当然それも切れるのさ……もしかしたら、既存の空間の方にも影響があるかもしれないけど、まあ、今回の場合は大丈夫だろう。仮に大丈夫ではなかったとしても、待っていることはできないしね」

 キャロムは、腰を低くして魔力の刃を構えた。そして、そのまま、一気にそれを振るう。

「やあああああああああああ!」
「なっ……」
「おおっ……」

 キャロムの雄叫びとともに、私達は大きな衝撃を受けた。恐らく、これは空間が引き裂かれることによる煽りなのだろう。
 その直後、大きな光に私の視界は塞がれる。直前に見えたのは、何かが破けたようなそんな光景だった。