派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

「そんなことができるのか? かなり高度な魔法のような気がするんだが……」
「既存の空間を操作するよりは、空間を新たに作り出す方が簡単だ。難しいことには変わらないけど、きちんと勉強して何度か練習すれば、できなくはないと思う」

 ドルキンスの質問に答えながら、キャロムはゆっくりと窓を開けた。すると、そこには廊下がある。外の景色が映っていたはずなのに、こちらと同じような廊下が広がっているのだ。

「今回の場合は、校舎の廊下と同じような景色の廊下を二つ用意したんだろうね。多分、こっちの教室のドアは……うん、向こうの廊下の教師の戸と繋がっているみたいだ」

 キャロムは、窓に続いて教室の戸を開けた。すると、あちら側の教室の戸も開いた。
 その先には、後ろを確認する私やキャロムがいる。まるで、鏡を合わせたような光景が広がっているのだ。
「あまり、見ていて気持ちいものではないね」

 そう言って、キャロムは教室の戸を閉めた。
 どうやら、彼の推測は的を射ているもののようだ。この空間は、私達を閉じ込めるために作られた簡易的な迷宮なのである。