派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

「アルフィア嬢、どうかしたのか? なんだか、難しい顔をしているぞ?」
「え? ああ、その……メルティナは、食堂に向かったのかを考えていたのよ。ほら、もしかしたら、何か急な用事ができて、この場を離れたかもしれないでしょう?」
「ああ、なるほど……確かに、その可能性はあるかもな。でも、どの道、食堂に行ってみないことには、何も始まらないんじゃないか?」
「ええ、私もそう思うわ」

 ドルキンスの言っている通り、メルティナを探すにしても、まずは食堂に向かった方がいいだろう。そこにいる可能性があるのだから、まずはそこに行くべきだ。
 という訳で、私達は食堂に向かう。だが、私はここで違和感を覚える。

「あら?」
「うん? なんだ?」
「これは……」

 私とほぼ同時に、二人も声をあげた。何かがおかしい。全員、同時に違和感を感じ取ったのだ。
 私は、自分の後方を確認する。すると、そこには校舎裏に繋がる戸がある。しばらく歩いたはずなのに、そこに戸があるのは明らかにおかしい。

「くっ……僕としたことが、どうして気づかなかったんだ!」
「キャ、キャロム君、どうしたんだ?」

 私とドルキンスが困惑していると、キャロムが大きな声を出した。彼は、血相を変えて辺りを見渡している。どうやら、彼はある程度状況を理解しているようだ。

「二人とも、これは迷宮魔法だ」
「迷宮魔法?」
「人を迷わせる魔法さ。恐らく、その魔法が行使されている」
「そ、そんな……」

 キャロムの言葉に、私もドルキンスも驚いた。この魔法学園の廊下で、魔法が行使されている。それが、とても恐ろしいことだからだ。