派手好きで高慢な悪役令嬢に転生しましたが、バッドエンドは嫌なので地味に謙虚に生きていきたい。

「二人とも、こんな所で何をしているんだ?」
「え?」
「え?」

 私が言葉を口にする前に、一人の男性の声が辺りに響いた。声の方向に、私達はその方向を向く。すると、そこには私の隣の席のドルキンスがいた。
 初めは驚いた私だったが、すぐに理解できた。恐らく、窓から私達が見えて、様子を見に来たのだろう。
 私が隣に座っていることもあって、ここに人がいるということは、先程よりもわかりやすくなっているはずだ。普通に話しているため、そこまでおかしいとは思われないだろうが、知人がいたら様子を見に来るというのは至極普通の行動だろう。

「おっと、もしかして邪魔をしてしまったのか? 二人で蜜月を過ごしていたのだとしたら、俺はお邪魔虫だったな……」
「蜜月? 違う違う」
「少し話をしていたのです」
「うん? そうなのか。しかし、なんでこんな所で……」

 私達の言葉に、ドルキンスは少し考えるような表情をした。この状況がどういうものなのか、なんとなく察したようである。

「なるほど……キャロム君は、メルティナさんに負けたことに、まだ落ち込んでいたんだな……」
「え、えっと……」
「ふむ……まあ、あんな負け方をすれば、落ち込むのは普通のことだ。だが、あまり落ちんでもいいことなんてないぞ。人間、失敗や敗北なんてものはつきものだ。すぐにとはいわないが、早い所切り替える方が楽なものだぞ?」

 ドルキンスは、キャロムに対して一気にまくし立てた。すらすらと出てくるその言葉に、私は素直にすごいと思っていた。
 彼の言葉には、棘や嫌味というものがない。とても真っ直ぐなその言葉は、爽やかな印象さえ与えてくる。