「アルフィアさん、どうかしましたか?」
「あ、バルクド様」
私がそんな風に歩いていると、バルクド様が話しかけてきた。明らかに食堂から真逆の方向に進んでいるので、彼はかなり不思議に思っているようだ。
「えっと……」
彼に事情を話そうかと思ったが、私の中にとある考えが過った。
アルフィアに虐められているメルティナを救ったのは、ゲーム中ではバルクド様とリオーブだった。もし今彼女が虐められていて、彼がそこに駆け付けたなら、それはゲームと同じ状況になる。
それは、私にとって不安なことだ。できればメルティナとバルクド様が近づくようなことは避けたい。それが、私に破滅に繋がる可能性があるからだ。
もちろん、それは杞憂だと思う。何もしていない私が破滅する訳はない。そう思っても、念には念を入れたくなってしまう。
「すみません、忘れ物をしてしまったので」
「そうですか……もしよかったら、僕も……」
「いえ、大丈夫です。忘れ物を取りに行くだけですから」
「あ、はい……」
私は、バルクド様の前から素早く立ち去った。彼が何か言う前に足を進める方が、いいと思ったからだ。
それは、彼がついてくることを抑制するためでもある。だが、何より急ぎたかった。
もしメルティナが虐められているなら、助けたい。そういう気持ちが、私を突き動かしているのだ。
「あ、バルクド様」
私がそんな風に歩いていると、バルクド様が話しかけてきた。明らかに食堂から真逆の方向に進んでいるので、彼はかなり不思議に思っているようだ。
「えっと……」
彼に事情を話そうかと思ったが、私の中にとある考えが過った。
アルフィアに虐められているメルティナを救ったのは、ゲーム中ではバルクド様とリオーブだった。もし今彼女が虐められていて、彼がそこに駆け付けたなら、それはゲームと同じ状況になる。
それは、私にとって不安なことだ。できればメルティナとバルクド様が近づくようなことは避けたい。それが、私に破滅に繋がる可能性があるからだ。
もちろん、それは杞憂だと思う。何もしていない私が破滅する訳はない。そう思っても、念には念を入れたくなってしまう。
「すみません、忘れ物をしてしまったので」
「そうですか……もしよかったら、僕も……」
「いえ、大丈夫です。忘れ物を取りに行くだけですから」
「あ、はい……」
私は、バルクド様の前から素早く立ち去った。彼が何か言う前に足を進める方が、いいと思ったからだ。
それは、彼がついてくることを抑制するためでもある。だが、何より急ぎたかった。
もしメルティナが虐められているなら、助けたい。そういう気持ちが、私を突き動かしているのだ。



